日本への電化製品の輸入販売について~PSE対象・対象外製品~

コラム

日本への電化製品の輸入販売には、日本の様々な法令が関わってきます。

特に、電気用品安全法(PSE法)は、コンセントに接続して使用されるほとんど全ての電気製品が対象となります。

PSEの規制対象となる電化製品を販売するためには、電気用品安全法の基準を満たした電化製品につけられるPSEマークをつけて販売することが義務付けられています。

PSEマークの認証を取得するには、国への事業届出、技術基準適合確認、自主検査を行う必要があります。また特定電気用品の場合、登録検査機関による適合性検査を受け、適合証明書を入手することが義務付けられています。

このようにPSE認証には多くの時間と費用がかかることから、電化製品の輸入販売を検討する際には、PSEの規制対象かどうかが重要なポイントになります。

そこで、今回はPSEの規制対象となる製品、対象外の製品について見ていきたいと思います。

電化製品を日本に輸入販売する際の主な法令

電化製品は、その用途、特性、材質等により法令も多岐にわたります。以下が日本に輸入販売する際の主な法令となります(参考:JETRO「家電製品の輸入手続き:日本」)。今回は特にPSE法について取り上げたいと思います。

  • 電気用品安全法(PSE法)
  • 長期使用製品安全表示制度
    • 例:扇風機、エアコン、換気扇、洗濯機、ブラウン管テレビは長期にわたり使用されるもの。
  • 食品衛生法
    • 例:食品に触れるもの(電子レンジ、炊飯器、ミキサーなど)。
  • 家庭用品品質表示法
    • 例:洗濯機、炊飯器、電気毛布、掃除機、冷蔵庫、換気扇、エアコン、テレビ、ジューサー・ミキサー、パネルヒーター、電気ポット、ロースター、電気かみそり、電子レンジ、卓上スタンド用蛍光灯器具、ホットプレート、コーヒーメーカー。
  • 省エネ法
    • 例:エアコン、複写機、蛍光灯器具、テレビ、DVDレコーダー、パソコン、磁気ディスク装置、ビデオテープレコーダー、冷蔵庫、冷凍庫、ストーブ、電気便座、変圧器、ジャー炊飯器、電子レンジ、ルーター、スイッチング機器、複合機、プリンター、電気温水機器。
  • 家電リサイクル法
    • 例:エアコン、テレビ(ブラウン管、薄型)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機。
  • 資源有効利用促進法
    • 指定省資源化製品:パソコン、エアコン、テレビ、電子レンジ、衣類乾燥機、冷蔵庫、洗濯機。
    • 指定再資源化製品:パソコン、密閉型蓄電池を部品として使用する製品(例:プリンター、コードレスホン、ファックス、携帯電話など)。
    • 指定再利用促進製品:パソコン、エアコン、テレビ、電子レンジ、衣類乾燥機、冷蔵庫、洗濯機、複写機、小形二次電池使用機器(例:プリンター、コードレスホン、ファックス、携帯電話など)。
    • 特定化学物質の含有表示(J-Mossマーク): パソコン、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、衣類乾燥機。
  • 消費生活用製品安全法
    • 基本的には、電安法でほぼ全ての家電製品について安全性が担保されます。
  • 電気通信事業法や電波法
    • 例:携帯電話、パソコンなど。
  • 医薬品医療機器等法:同法上、医療機器に該当するもの
    • 例:マッサージ器など。
  • 建築基準法や下水道法
    • 例:ビルトイン型の食器洗い機やディスポーザーなど。

PSE法(電気用品安全法)について

PSE法(電気用品安全法)の概要については以下の通りです。

電気用品安全法(PSE法)は、電気用品による危険及び障害の発生の防止を目的とする法律であり、約450品目の電気用品を対象として指定し、製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進する枠組みとなっています。 

参考:PSEインフォメーションセンター「電気用品安全法とは

また、PSEは全ての電気製品が対象となるわけではありません。PSEの対象となる製品は、法律で以下のように定義されています。

 一般用電気工作物の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であって、政令で定めるもの

 携帯発電機であって、政令で定めるもの

 蓄電池であって、政令で定めるもの

参考:電気用品安全法第二条

一般用電気工作物とは、一般住宅や小規模な店舗、事業所などの電圧600V以下で受電する場所の配線や電気使用設備のことをいいます。そのため、住宅や店舗などのコンセントにプラグを挿して使用する電気製品については、基本的にはPSEの対象となります。

なお、PSEに該当する製品は、特定電気用品と特定電気用品以外の2つに分類されています。具体的な電気用品の一覧については経済産業省のHPで確認することができます。

  • 特定電気用品:116品目 
    • それ以外の電気用品に比べ、不良があった場合に感電・火災などの影響が大きい電気用品。
    • 例:ヒューズ、コンセント、延長コードセット、ACアダプター、携帯発電機など。
  • 特定電気用品以外の電気用品:341品目
    • 例:電気冷蔵庫、電気冷房機、電気洗濯機、電気掃除機、扇風機、テレビジョン受信機、LED・電灯器具、リチウムイオン蓄電池など。

PSEに該当しない製品について

PSEに該当しない製品の代表例は以下の通りです。

  • USB給電・充電の製品
  • 乾電池を使用する製品
  • 車のシガーソケットを使用する製品

但し、USBから給電する製品でも、以下の製品についてはPSEの規制対象となります。

  • リチウムイオン電池が使用されているもの
  • モバイルバッテリー

また、PSE対象外の製品に、PSE対象品が組み込まれている場合には気を付ける必要があります。例えば、ノートパソコンはPSE対象外ですが、電源を供給するACアダプターはPSEの対象となります。

なお、現時点ではPSE対象外の製品であっても、将来の法律の改正によりPSEの規制対象となる可能性があります。

例えば、モバイルバッテリーは元々PSE対象外でしたが、法改正により、2019年2月1日からモバイルバッテリーが電気用品安全法(PSE法)の全面規制対象となっています(参考:経済産業省「モバイルバッテリーの規制対象化について」)。

そのため、電化製品を輸入する際には、PSEを管轄している経済産業省の最新情報を確認することが必要です。

最後に

今回は、日本への電化製品の輸入販売に関わる法令について、特にPSEについてポイントをまとめました。

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